流体力学

「流体力学」とは文字通り「流体」について扱う学問ですが、自動車に関係する流体は「空気」です。ですからこの学問の中では更に「空気力学」と呼ばれる分野が自動車の設計に関わります。
 その目的の一つは無論「空気抵抗の軽減」です。空気抵抗は動力に利用できる(好例は帆船です)ほどですから、それを正面からまともに受けたら、少しブレーキをかけながら走っているようなもので、確実に燃費が悪化します。レーシングカーのように、燃費を気にしないような速度性能重視の自動車であっても、空気抵抗の軽減はエンジン出力を増しているのと同じ効果が期待できるわけです。
 もう一つの目的は「空気抵抗の利用」です。空気抵抗を減らすだけが目的なら、突起部分をなるべく減らせば良いわけですから、レーシングカーのリアスポイラー(「リアウイング」と同義と思ってください。)は目的と矛盾する存在です。リアスポイラーの目的は、そこに受けた空気の力を、下向きの力に変えることです。つまり、空気抵抗を利用して、車体を地面に押し付けてタイヤの力が地面に効率よく伝わるようにするわけです。いずれにせよ、一定以上の速度でないと空気力学は車の走行性能にあまり関係しないので、高速走行を前提としない車だと流線型にこだわるデザインになっていないのです。

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